さて、洋上で翌朝を迎えた。
意外にも良く眠れたような気がする。
時間から見て父島まではあと3時間ほど。狭いベッドを抜け出して8階のデッキに出てみると島が近いせいかカツオ鳥が飛んでいた。なんでも船に驚いたトビウオなどを狙っているらしい。
そうこうしているうちに到着まではあと30分。
島も大きく見えて来たし、何より水の色が濃い紺色に変わってきた。
いよいよ父島の二見港に入港。
向こうに父島の中心地、大村の街が見える。それにしても、この水の色、そして向こうに見える白い砂浜が想像以上で感激。
そして父島初上陸。
確かホテルの人が迎えに出て来てくれているはず。
早速、迎えの車で予約したホテルに向かう。
港からこのホテルまでは車で5分ほど、歩いても15分くらいと思われる。
こちらはこの島に最初に住み着いたアメリカ人、セイボリーさんの六代目家族が運営する15室ほどのこじんまりとしたホテル。部屋はこんな感じでお洒落、いかにも女性をターゲットにした感じで、部屋には電話もテレビも時計も置いてないのが如何にもリゾートらしく気に入った。
さて、ホテルに荷物を置いた後は、街の下見も兼ねて歩いて昼食に出かけた。
それでも小さな島だけにコロナについては依然として厳重警戒中。そのためどのお店でも PCR 検査陰性を証明するこんなバンドを手首につけていないと入店お断り。ここで、この「Bonin」は小笠原がかってボニンアイランドと呼ばれていたことから来ているもので「無人」が訛ったものだとか。
ちなみに、この島でも二桁のコロナ感染者が出たそうで、その際は島にある海上自衛隊にヘリを要請して更に300キロ南の飛行場のある硫黄島まで輸送、そこから今度は飛行機に乗り替えて本土の病院へと大変だったらしい。それでも一時クラスターが発生した際には、本土側も受け入れる余裕がなく已む無く島内で隔離したと聞いた。幸いに軽症で済んだようだが何せ医者が3人しかいないとのことでそれだけ警戒する理由もわかる気がした。
さて、15分ほどで街の中心、大村に到着。
さすがに船が着いたばかりなので人通りもなくこんな感じでガラガラ。
まずは街の真ん中にある2軒しかないと言うスーパーの1軒を覗いてみた。
それでも船がついたばかりとあって、内地(と言う)から届く生鮮野菜の棚はすっからかん。我々の乗ってきたおがさわら丸から荷下ろしされた品物でこの棚がいっぱいになる夕方になると一斉に島民が押しかけるとのこと。当然、物価も内地よりは3割ほど高めだった。
この後はあらかじめ調べて評判の良かった「あめのひ食堂」で昼食。
場所は一番上の写真の奥の左側の2階建ての建物の1階。
やはり評判通りここで食べた島パパイヤのキーマカレーがうまかったので、後日また夕食で訪れる事になる。
そのあとは迎えの車が来るまでの間、時間つぶしを兼ねて暫く探索。
やはり海の色も、街も、これだけを見せられればちょっとした外国の雰囲気。この後はここでピックアップしてもらって、同じホテルに宿泊の若いカップルと一緒に今回のパックに含まれている島内散策ツアーに出発した。
さて、その前に。
ここ小笠原は何と何とで東京都、したがって車も全てが品川ナンバー。あらかじめ知っていたとは言うものの、会う車会う車全てが品川ナンバーだったのにはちょっと驚いた。
この後はこの車に乗ってぐるりと島の見どころスポットを一周。
ところが残念ながらこの日は午後になって曇りがち。遠くに我々が乗ってきたおがさわら丸が見えたが、せっかくの長崎展望台からの素晴らしいはずの二見湾の景色も太陽の光がなくては今ひとつだったのが残念だった。
これはその反対側の景色。
その後も定番通りのスポットを幾つか廻ったものの太陽がなくてはこれくらいがベスト。
結局、最後の日に晴れたので特別にお願いしてまた同じコースを廻ってもらう事になる。
てな事で一旦ホテルに戻って休憩した後はまた街まで夕食に出かけた。
おがさわら丸は通常のスケジュールでは週一回だけの運行のため、我々が帰る時まで停泊し貨物の積み下ろしを行っていた。数日後、また我々を乗せて竹芝に向かう事になる。
さて、そんなおがさわら丸を横目に見ながら地元客にも人気店だというCHARAに向かった。
早速、飲みたかった生ビールと本日のサービス鮮魚の盛り合わせを注文。
全て小笠原近海でとれたカンパチ、カマスサワラ、キハダマグロ、アオチビキ、カッポレという魚で超新鮮。ここではハーフサイズがあったのでそれを注文したがそれでもこの量。
この店はメニューも豊富で値段もそこそこリーズナブル。
そこで次は「島物メカジキのバター醤油焼き」を頼んでみたら、ステーキのような大きさのものが出てきた。実際食べた感想として、今回の島滞在中の3日間で食べた中で一番美味かったように思う。
さて、その後はまた昼と同じ場所でピックアップしてもらい今度はナイトツアーに出発。
元々は翌日に予定されていたものだが、雨の予報が出ていたことからこの日に繰り上げたもので、お陰で到着当日にもかかわらず大忙し。
本来であれば空いっぱいに広がる星空は残念ながら見る事ができず。
それでも光るキノコやら父島名物の羽を拡げると80センチにもなるというコウモリのフルーツバット、それに桟橋に集まるサメまで見る事がでたのでまあまあといったところかな。
と言う事でホテルに戻ると風呂に浸かって2日目は終了、長い1日だった。
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