思いもしないことが起こるものだ。
ここ札幌でも茅ヶ崎にいる時と同じくジム通いを始めた。その初日、マシンが並ぶ中を歩いていたところでいきなり名前を呼ばれた。
見るとそこには同じ会社で一緒に働いていた後輩の顔。聞けば、毎月一回1週間と決めて東京から飛んできて、実家のお母さんの世話をしているとのこと。
私が札幌に来ていることは聞き知っていたようだが、まさか札幌のこんなところで出会うとは、お互い目の玉が飛び出るほど驚いた。
その時は近々食事でもと言うことで別れたが、一ヶ月後の昨日、再度札幌に来ているとのことで指定の場所にカミさんと出かけることとなった。
と言うことで向かった先は、狸小路にある普通のマンションの一室にある店。
一階のインタフォンから部屋番号で呼び出して中に入ると、それこそ地元民でなければわからないような、年嵩のお姉さんが一人で切り盛りしている六席ほどの小さな店だった。
おばん菜と言うことでカウンターに大皿が並んでいる店を想像していたが、こちらは2種類のコース仕立て。違いは土鍋ご飯がつくか否かで大差はないようだ。
と言うことでまず出て来たのがこんなオサレな小鉢たち。いずれも派手さはないけれどしっかりした味付けで美味しかった。
次に出て来たのはこんな小さな刺身の皿と茶碗蒸し。
久方ぶりで、しかも偶然の再会だったので話も弾み酒もそこそこそ進んだところでこの日のメインが登場。
食材は余市の直産市で仕入れて来たと言うだけあってとにかく野菜が新鮮、マスタード焼きの鶏が霞んでしまうほどだった。
で、最後の締めは鮭の土鍋ご飯。
何でも次の機会には彼が高校卒業まで暮らした小樽の街の行きつけの寿司屋に連れて行ってくれるとのことで楽しみだ。
それにしても縁というのは不思議なものだ。