2014/5 クルーズ乗船記その2

さて、その1に引き続きここでは船内での生活や食事、その他諸々の細かいことについて紹介したい。

 
まず最初にチェックインすると個々人に対しこのようなカードが渡される。船内ではこれが船室のカギや身分証明書を兼ね、船内での支払いもこのカードで行われるし、ダイニングルームのテーブル番号や時間もここに指定されている。これにはプリンセスクルーズへの参加回数に応じたステータスがあってその場合にはカードがそのステータスに合わせた色となる。 
 
次に今回の船籍はバミューダ、とはいうものの実質はアメリカ船ということで船内での言葉は基本的に英語となる。ただし日本発着のため通訳が乗船しており主要なアナウンスは日本語で通訳されていた。かたや我々船客が常に接触する船室係やレストランは殆どがフィリピン人で日本語は片言程度だった。 
 
一方、船客の方は飛鳥のようなプレミアム船では無いことと、出発地が神戸であったことで船客の大半を関西方面からの一般的な60代後半から70代前半を中心とする御夫婦や趣味のグループが占めていた。そのためそんなおばちゃま達と若い船員の間で英語とも関西弁とも言えない何とも騒がしくも珍妙なやりとりがそこかしこであって面白かった。後半の台湾では寄港した花蓮から我々とは逆ルートで1周する多数の台湾人が乗り込んで来たので、言葉的には日本語、英語、中国語、それに船のフィリピン人従業員の話すタガログ語が混在する不思議な世界となった。
 
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 そんな中、長い航海中には船客を退屈させないように船内のあちこちで各種のエンターテイメントの工夫が凝らされていた。船客が参加するようなプログラムも多く、例えばダンスプログラムでは乗船当初は比較的最近の曲が多かったのに対し、日が経つにつれて70's 、最終的にはそれが50's と船客の年代に合わせて曲目が変更されたりして船側でも気を使っているのがアリアリ、それほどお爺ちゃん、お婆ちゃんパワー侮るなかれという感じ。
 
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 さて、エンターテイメントと言えばもう一方はギャンブル。アメリカの船なので当然 (?) 船の中央部にカジノがあり、ここでも乗船カードを使用してコインやチップマーカーを購入する。カジノなのでラスベガスなどと同様に24時間オープンと思っていたら、何と日本領海を航行中はクローズで、オープンしたのは領海外を航行している時間帯のみ。成程考えてみれば日本は公営ギャンブル以外は禁止だったと思いだした。
 
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 あとは、港、港での「お・も・て・な・し」。 今回のクルーズは朝の6時に其々の港に入港し夕方の5時に出港、その間の日中は上陸して観光というのが基本スケジュール。そのような早朝にも拘わらず民族衣装を着た踊りや歌で迎えてくれたり、観光協会の人たちが島の案内パンフレットや特産物を並べて待っていてくれたりして大感激、また、出港時も島の一般の人たちも含めて沢山の人たちが見送ってくれた。
 
 
確かにこのバスの台数を見れば分かるように2000人の船客の大半が上陸するので何らかのお金を島に落としていくのも確か。そういう意味では重要で観光協会の人たちの気合が入るのも分かるような気がした。

 

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ここで船内で供されるご飯を紹介すると、まずは朝ごはん。もちろんメインダイニングでお盆に乗った和朝食やごく一般的なアメリカンブレックファストを食べることもできるが、かなりの人たちは自分で食べたいものを選べるビュッフェで朝食を取っていた。品数も豊富でお代わり自由、焼き魚やらみそ汁など一部の和食系もあって、朝、昼、晩で品ぞろえが変わることから常に賑わっていた。

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 昼ご飯はメインダイニング、ビュッフェに加えてプールサイドバーやピザレストラン等からの選択となる。これはプールサイドバーでのハンバーガーでこの他にちょっとしたサラダやホットドッグ等が食べられる。もちろん無料だがアルコールは有料。

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3時のおやつとお茶。船内に数ヶ所あるエンターテイメントを伴うちょっとしたスペースでは基本的に有料となるがお茶やサンドイッチ等が随時提供される。

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夕飯は基本的に指定された時間にメインダイニングに行き、航海中を通して同じメンバーと同じテーブルを囲む形となる。メニューは日替わりのフルコースディナーでアラカルトからも選択可能。

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これは航海中の一番のハイライトとなる航海7晩目の2回目のフォーマルナイトのメニューで、この日は全員が正装で着飾って参加する。

イメージ 3これは最後の晩に我々が選んだステーキレストラン。こちらは船内にある寿司バーと並び二つだけある有料レストランで、テーブルチャージとして1人25ドルが必要となる。予約をして着席するといきなり肉の選択。ちなみにここだけは徹底的にアメリカンで最小のフィレで230g、リブアイは400gととにかくでかい。料金システムは肉のサイズに拘わらずテーブルチャージのみと至ってシンプルだった。

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てな訳で最小の230gのフィレと、幾つかある中から前菜とデザートを選択しワインを呑みながら待っているとこんな形で登場した。当然のことながらここでは相席もなく時間の縛りもないことから割とゆっくりと食事が出来るために、有料にも拘わらず予約が詰まっていて、我々も2日前に予約してようやく取れるという感じだった。一方、肉の方は率直に言って星1つ半。固くは無いし肉の味も悪くは無いが、とにかく噛みごたえが十分すぎる。恐らくお年寄りの方にはちょっと厳しい感じでアメリカ国内で何度か食べたことのある赤身肉のステーキと比べても少し残念だった。

ここまで船内の食事について触れてきたが、全体的にみれば味は星二つ行くか行かないかのレベル。それでも最低だと一泊あたり2万円のクルーズ料金の中に全部含まれていて、それなりのバリエーションもあることを考えれば、十分にリーズナブルだと思う。ちなみにクルーズ料金の違いは基本的に部屋の違いのみなので食事内容は全く同じとなる。

勿論、プレミアム船の飛鳥などの食事に比べて最低などとおっしゃるお年寄りもいたことは事実だがそういう方はそちらを選べばよいだけのこと。何せ三食付きのホテルが何もしなくても行き先まで連れて行ってくれ、しかもそこで待っていてくれて、また次へと考えればこんな楽ちんな事はない。