さて、念願叶ってそのジブラルタルを出発。
まだ時間も早かったので途中にある白い街で有名なミハスへ向かう。
このころになると車の運転にも慣れてドライブは快調。混雑もないしついつい飛ばしすぎになるところクルーズコントロールをセットして自重、それでも時折制限速度が遅くなる場所があったりマラガが近づくにつれ何箇所かの有料区間が出てきたのが要注意だった。
そんな高速を降りかなりの急坂を登って着いたミハスはこれはもう観光地。
日本でも散々知られている場所だけに観光バスもたくさんいてこんなロバさんの姿まで。
街並みは噂にたがわず真っ白で遠くの青い海とのコントラストが素晴らしい。
こちらであまりウロウロしていては時間も遅くなってしまうので、いよいよこの車旅の最終目的地となるマラガへ向けて出発した。
さて、ナビに導かれて着いたのは広い駅前通りに面した大きなマンション。
この日のアパートメントに着いたとは言うもののそこには何の看板もなければ住所表示も無くそこが正しい場所なのかがわからない。入り口の鉄格子のゲートもしまっていて中に入って聞くこともできず、やむなく隣のお店で住所を聞いて正しい場所に到着したことだけは確認できた。だが、それ以上はそこでもわかるはずもなく、鍵を受け取る方法もわからない。
そこでアパートに連絡をしようにも、こんなことなど想定外で現地で使える電話など持ってない。
到着時間も知らせてあったのにクソッと思いつつ、意を決して通りがかりの家族連れを捕まえ、英語で窮状を訴え我々が到着したことをアパートに電話してもらうようにお願いすると幸いにも英語が通じ、彼からの電話を受けたアパートのオーナーがようやく中から迎えに来てくれることになった。
加えて、電話をしてくれた若い旦那さんは、私がこんなパニックの状況を伝えられるほどスペイン語をうまく喋れないことを理解してくれたようで、親切にも電話をしてくれただけではなく、一緒にオーナーが来るまで待っていてくれるとの事で感謝感激。実際、出て来たこのオーナーも英語はあまり得意でなかったようだったのでこの親切は本当にありがたかった。
ようやくオーナーが現れ、最初は何で電話をよこさなかったんだとか文句ぽいことを言ってはいたが、そのうちどうやら自分が悪かったと思ったらしく、ビールをおごるからとそのまま隣のバルまで連れて行かれ、こちらとしてはホッとしたのでさっさと部屋に入りたいところをそれからまたしばらくお喋りさせられた。
どうやらオランダ生まれだというこのオーナー (?) は個人でこのマンションに数件の賃貸アパートを持っているらしく、到着したら当然客の側から電話が来るものだと思い込んでいて、鍵の受け渡し方法などをあらかじめ連絡する事など考えてもいなかったらしい。
さて、そんなオーナーからようやく鍵を渡されてまたびっくり。道路に面した鉄格子のゲートの鍵が一つ、更に中庭に入ってマンションに入る入り口、中のエレベータ、そして部屋のドアと計４個の鍵を渡された。それに加え車のガレージ用にさらに２個渡されたので合計で６個、そのためそれから先はこの重くて嵩張る鍵たちを持ち歩くことになった。これにはいくらセキュリティの考え方や文化が違うとは言え本当に驚いてしまった。
結局そんな経緯を経てこんな立派なリビングのついた２ベードルームアパートメントに２連泊することとなるのだが、個人所有のためかシャワーのヘッドが壊れていたなどメンテナンスは今ひとつだったのが残念。
そんなこんなで草臥れはててしまいこの日のバル詣では中止。
アパートでゆっくりすることにして近所にあったスーパーですぐ食べられそうなものを物色。結局、焼くだけになったパテを買ってきて、ガスパチョとワインを飲みながらそのパテを食べてこの日は終了。いやぁ、最後の最後でこのハプニング、なんとも長い１日だった。
それにしても今になって冷静に考えてみれば、ローミングを使えば電話もできたはずで、あれほど慌てたり困ることがなかったかも。まあ、それだけ想定外のことにパニックになっていたということだろう。
ところで、到着した空港などで現地で使えるSIMカードを売ってるのは知っているが、そのためにはSIMフリーのスマホにするか、SIMロックを外すなど何かと面倒なことが必要になる。何とか自分のスマホからWifiを経由する事で、そして例えば３０分間の通話クレジットを買うことで、渡航先の一般電話へ通話ができるアプリみたいなものはないものだろうか?
とは言え相手国内の電話会社との契約が必要な筈だしと調べてみたところ、この要求をSkypeがほぼ満たすことがわかった。この次どこかへ出かける際はよく勉強してから準備して出かけることにしたい。
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まずはパラドールのこんなレストランでしっかり朝ごはんを食べて出発。
